「クローンドッグ」をよんで

投稿者: | 2020-07-06

タイトル:クローンドッグ
作:今西乃子
出版社:金の星社
ISBN:978-4323074313

クローンドッグをよんで

大好きなペットが亡くなって、そのクローンが欲しい。とか、事件や事故で亡くした我が子のクローンが欲しい。とか。

もしかしたら、そういう気持ちになるのかなと思います。でも、産まれてくるのは当然、赤ちゃんです。

だとすると「大好きなお母さんのクローンが欲しい」とは、思いもしないだろう。と思いました。

だから、ペットや子どもの「クローンが欲しい」って、自分の所有物だと思っているからこその発想なのかなと思いました。
その人の命を「自分の一部」と正当化しているのだと、自分に必要なものを手に入れる事が悪いことなのかと、開き直りの主張です。

表現として「自分の一部のように思う」のは良いと思いますが、その命を操作する権利はやはり無いと思いました。

このお話は、小学生の男の子が下校中に捨て犬を見つけて育てていく所から始まります。
拾った犬は、人間の虐待によって後ろ足を切断された犬です。

その犬との出会いをきっかけに、友達ができます。その友達たちは家庭環境に問題があったりしたので、主人公は同情したのだと思います。

この主人公の男の子は、普通の家庭で育った頭の良い子です。
ですが、とても弱い子だと思いました。言葉では「助け合い」を知っていても、どこかで自分が優位に立っていると思っているはずです。

でも、この主人公は間違っているでしょうか?本当に弱い子なのでしょうか。

この主人公は「余剰な命」というものを見つけてしまいます。
これは、大人だったら口にはできない言葉だと思います。

この主人公は、動物愛護センターで殺処分される動物の事を知っています。必要な所に必要な分の命があれば、殺される命がないと思うのも当然だと思いました。

お父さんは「いらない命なんてない」と、言いますが、今日もどこかで殺されているのは事実です。

だから、この主人公は考えます。
考えて考えて、命について考えて。

そうして「唯一無二」という言葉の実態が見えたのだと思います。

「唯一無二」それこそ議論の余地もないはずなのに、どうして人間は迷うのか。それはエゴとしか言いようのないものだけど、いつだって誰にでも降りかかる迷いなのかもしれません。

この主人公は、とても人間らしい弱さをもって、でも真面目に問題にぶつかっていく勇気のある子だと思いました。

最後に、友達って大事だなと思います。迷ったら友達とおしゃべりして「あたりまえ」を教えてもらおうと思います。

おわり。


この本は、本屋さんにどばーーっと積まれていました。
小学4年生にオススメのようです。

だけど、どの4年生にも勧められる本ではないと思います。
少なくとも、最初から最後まで読み切れる子に読んでほしいです。

最初から最後まで読み切れれば、簡単に、「迷うこと」が誰にでもある、どんなことでも迷う事は許されるものだと分かると思います。
自分が迷っている事が、内容は違くても「迷うような事」だと「迷う事がおかしい事ではない」と、前向きに乗り越える力になると思います。

でも、読み切れない子には、都合の良いところだけ拾って口だけ達者になりそうです。我が子は3年生なのでしまっておきます。。。。

この夏の本を探しているお母さま。読まない子に、わざわざ無理して読ませなくて良いと思います。

ほんとにおわり。

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