タイトル:ゆうだちのまち
作:杉田比呂美
発行所:アリス館
ISBN:978-4-7520-0756-2
「ゆうだちのまち」をよんで
声に出して読んでみたとき、はじめて雨の温度や、土のにおい、ほこりのにおいを感じました。
はじめて読んだときは、目だけで読みました。
晴れて、雨が降って、晴れた。としか思いませんでした。
「だから、なんなのだろう」と思ったくらい、それだけでした。
でも、声に出して読んでみたら違いました。
せみのこえ、かげのいろ、くものいろ、あめのおと、あめのにおい、お父さんの声、ワイパーおと、このはのおと、すこしすずしくなってから聞こえるせみのこえ。
全部がいま、わたしのまわりにあるように思いました。
でも、わたしのお父さんと、ゆきちゃんのお父さんは全然ちがうなと思いました。
わたしのお父さんだったら、きっと雨やどりをしないはずです。
「降りそうだな」というときにも出かけないし、もし出かけていても、走って帰れるくらい近いところまでしか行きません。
なんといっても、夕方には出かけないと思います。
もし、お父さんとわたしが雨宿りをしても、きっとお父さんはスマホで雨雲レーダーを確認しながら「いつやむのか」を教えてくれると思います。
わたしは、そういうお父さんといても楽しいです。
お父さんはいつも、スマホを見ていて本当のことしか教えてくれないけど、つまらなくないです。
もしかしたら、お父さんが全然そとにつれていってくれなくて、家で2人でゴロゴロしているときに「ゆうだち」が来ても、わたしは楽しいと思います。
お父さんは外の様子を全然気にもしなくても、「ゆうだちだなぁ」とふたりでゴロゴロしている夏休みが楽しみです。
おわり