- タイトル:おしりたんてい いせきからのSOS (おしりたんていファイル5)
- ISBN:978-4-591-15515-8
- 作者:トロル
- 発行所:ポプラ社
※ネタバレを避けたい方は読まないでくださいませ
「おしりたんてい いせきからのSOS をよんで」
「こんな大人に僕はなりたい。」
聡明で包容力があり勇気もある。
友を大切にしていつでも守る。その反射神経と運動能力、動体視力と判断力、そして運。
レディーには優しく、悪者には毅然と。
おしりたんていさんは、完璧すぎるヒーローだ。
今回は、少し懐かしいようなどこかで見たようなトラップをくぐりぬけ、遺跡に眠る「聖杯」を見つけ出す冒険物語。
考古学系冒険物語に欠かせない父子の姿がそこにあった。
レディーのたのみごとはことわらない
それがダンディってもんだろ
父のセリフだ。溢れんばかりのダンディズム教育がまぶしく感じた。
そういう環境で育った「おしりたんていさん」の嫌味のない身に付いたレディーファースト。父の父らしさを個性として認められた、自立した息子の姿が見て取れる。
いまや、おしりたんていさんの背中を見て学ぶ子供がどれだけいるか。
そして、父の背中を見て育つ子どもがどれだけいるだろうか。
父子のありようが描かれたのが、この物語だと思う。
現代の親子の関係は、少しずつ、ありふれた、小さい塊のように見える。子どもは個人として認められておらず、親も個人として認められておらず、だけど共に歯車のようにグルグル一日中、365日、生きている限りは回り続ける。
子どもはチームの一員として育てられている。本当は自由であるべきだと思う。もしかしたら、この「おしりたんていさんの父」は、子どもが求めている「父親像」であるのかもしれない。
父親はダメなところがあっても良いが、尊敬する部分がなければいけない。ママのように駆けずりまわるパパはママからは信頼を得るが、そういうパパのことを「ありがたい」と思う子どもはいない。「あたりまえ」と思われているだけである。
パパはママを助け、子のために「父」であれ。
と、ママは思う。
おわり
あとがき
ちょっと今回は、読書感想文らしく書いてみました。800字を目指していたのもあり、パパに矛先が向きましたが、パパさんごめんなさいね。
この10年のあいだにパパの育児参加がとても目立つようになりました。目に見える部分をパパがやることに抵抗が無くなったのでしょう。これもパイオニアとなったパパさんのおかげです。拍手!
今朝は、雨が降っていました。スーツの上に雨合羽を着て、子どもを二人のせた自転車を走らせるパパさんとは何人もすれ違いました。最近では、あの主婦向けのデカいサンバイザーを雨除けに使うパパさんがいるんですね。合理的だとは思います。(だけど、チャリ用のフルフェイスのメット、ないのかな。。。)
病院に行けは、小さい子を二人つれて、泣き叫ぶ子をどうにかしながら診察を受けさせるパパさんもいます。
私はママですが、子ども二人も連れて何かをするなんてできません。本当に尊敬します。毎日お疲れ様です!