「ドームがたり」をよんで

投稿者: | 2022-12-04

タイトル:ドームがたり
作:アーサー・ビナード
画:スズキコージ
発行者:小原芳明
発行所:玉川大学出版部

ドームがたりをよんで

広島の原爆ドームのお話です。作られた時は「広島県物産陳列館」という名前だったそうです。
その後、何度か名前を変えながら今では「原爆ドーム」と呼ばれています。
ご存知の通り、原子爆弾を落とされて見た目はスカスカの状態になっていますが、広島の街から世界と歴史を見続けている中身の詰まった「考える建物」です。

川のほとりに、はしらをいくつもたてて、石をしっかりつみ、レンガもズレないようにきっちりつみあげた。

ドームがたり 多摩川大学出版部 より引用

多くの人たちが、この建物を建てるために考えて、いろいろな問題を乗り越えながら協力して、そういう事が文字通り「建設的」だなとあらためて思います。それが達成感だったり喜びだと思っています。

どうしてそれを壊すのか。私は壊してまた作れば儲かるからだと、ずっと思っています。

この絵本では、原子爆弾だけでなく人工的に作られた原子力が深く人間の生活に沁み込んでいく様子も描かれていますが、それは建設的なのだろうかとまた考えさせられます。

広島の街を走る広電。行きかう船。人も鳥も虫も木々も。
いつもの毎日、いつもの街なみが、一瞬後に消えてしまうのです。
そのあと何年も何年も悲しみや苦しみが続きます。憎しみもあるでしょうが、疑問がいつまでも消えないと思います。

今、とても危ないんじゃないか。これはいけないんじゃないか。
誰のためのものなのか、何のためのものなのか。
いつでも私たちは問われているのに、自分の事として考えているか、それ以前に知っているだろうか。と、思います。

どうか、戦争のない平和な世の中でありますように。

おわり


この本のあとがきに「広島市高等女学校原爆慰霊碑」また「プルトニウム」の作られ方も書かれているので、中高生以上の方にぜひ読んでもらいたい絵本です。こういう事を修学旅行の前に教えて欲しかった。。。

ほんとにおわり。

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