- タイトル:えんとつ町のプペル
- 著者:にしのあきひろ
- 出版社:幻冬舎
- ISBN:9784344030169
えんとつ町のプペルをよんで
本当は映画館で映画を見たかったのですが時期を逃して見られませんでした。なので、この間アマゾンプライムで映画を見ました。思っていたよりも「楽しく」見られました。それで、この映画がどんな風に絵本に詰まっているのか気になったので、はじめて絵本を読むことにしました。
このお話は周囲を崖に囲まれて外の世界を知らない町のお話です。そこに住む少年とゴミでできたゴミ人間の愛と勇気の物語です。街並みや風景の絵がきれいで絵を見るだけで何回か読みました。私は映画を先に見てしまったので映画のような「楽しさ」は絵本にはなかったとは思います。やはり映画は映画ならでは、絵本は絵本ならでは。なのだと思います。
印象に残ったのは、少年とお母さんが料理をしているシーンです。きっと薄暗い部屋なのでしょうが暖かさと明るさがあって、こういう家っていいな。と、思いました。どうしても我が家の食卓と比べてしまうのですが、たぶん我が家のメニューより豪華なところもうらやましいです。あんな薄暗い町できれいなブロッコリーが育つんだろうかと少し思いました。完全なやっかみです。
少年はきっと心の中にすっぽりと穴が開いているのでしょうが、すくすくとまっすぐ良い子に育ってみせているところにも健気さを感じます。これからこの少年はどういう大人に成長するのか、やっぱり気になってしまいます。外の世界を知らない町に住み続けるのでしょうか。
もし私が少年だったらお父さんのような船乗りになりたいと思うかもしれません。たぶんそうすると思います。船乗りになるのも大変だとは思いますが、町に住みながら外にも行けるからそのくらいしかしないと思います。別の人なら政治家になるかもしれないし、科学者になってどうにかするかも知れません。子どもって何にでもなれるだろうな。と、やはりうらやましい気持ちになります。
絵本を読むと、そういう事を考えました。絵本ならではだと思います。
おわり
この絵本は「絵本」としては大人向けだと思います。小さい子に読み聞かせをしようとは思いません。言葉の美しさがなくキツいからです。そういうお話なんだと思います。
私の感覚でいうと「邪気」にあたるのですが、そういうものが世界にはあふれているから、大人の方がこのお話に「嫌な感じ」を強く感じると思います。その上で信じる事とか夢とか価値があるのでしょう。プペルのように一緒にいてくれる人が誰にでもいたら良いなと思います。
ほんとにおわり
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