タイトル:盲導犬不合格物語
文:沢田俊子
絵:佐藤やゑ子
発行所:講談社
ISBN:978-4-06-285359
盲導犬不合格物語をよんで
本当にあったお話が好きなので、最近はノンフィクションを多く読んでいます。
この本を読む前は「ハチ公物語」を読んでいたので「犬つながり」で選びました。
この本は、盲導犬の訓練を受けたけれども不合格になった犬たちが、その後それぞれの道で活躍している姿が書かれています。
わかりやすく「不合格犬」と紹介されていますが、「盲導犬としては不適格」ということで、ペットとして飼われる「キャリアチェンジ犬」になったり「介助犬」になったり、セラピストになったり、マジシャンになったりと、だれかの役に立っています。不合格だからといって「ダメな犬」というわけではありません。
「ベンジー」は、小学校からいじめにあっていた女の子と暮らすことになりました。ベンジーと女の子はお互いに守りあって成長します。本編のあとにその後が書かれています。そこまで含めると、私はこのお話が一番好きです。
理由は、女の子が成長して家を離れると、犬は残った家族と暮らすことになるのですが、その残った家族にとってもかけがえのない存在だったとわかるからです。ベンジーは「家族の一員」として幸せに暮らしたんだろうなと思います。
この本を読んで不思議に思ったのは、どうして盲導犬はデカいんだろうという事です。
目の見えない人の命を守っている。きちんとしつけられていて大丈夫。それは誰でも分かっていると思いますが、怖いと思う人が一部にいてもしょうがないような大きさに思います。
やっぱりラブラドールやゴールデンは特別賢いからなのでしょうか。
何かあった時に人間を引っ張る力が必要なのでしょうか。
それとも極力、目線の高さが人間に近い方が良いのでしょうか。
特別な賢さでいうと盲導犬に向いた中でも向いている血統の子が訓練を受けているのかもしれません。だとしたら、もちろん優秀だと思います。
何かあった時に人間を守るための強い力が必要だとするならば、それは柴犬サイズでも人間には伝わる強さがあると思うので、説得力に欠けます。
「目線の高さ」が重要なのかな。人間を安全に案内するならやはり、その方が良いだろうと思います。
少し調べてみたけど、どうしてラブラドールとゴールデンばかりなのかが分かりません。これからも調べてみようと思います。
どうしてここまで「デカい」と大きさが気になってしまったかというと、キャリアチェンジ犬だけでなく、引退犬の事も考えたからです。
私は次に犬を飼うことがあれば、老犬の最後の時間を一緒に過ごしたいと思います。これは「引退犬」が飼いたいという意味ではなく、ペットショップで買った子犬から育てた犬かもしれないし、大きくなって飼い主に捨てられた犬かもしれないです。もしかしたら「引退犬」かもしれないけれど、やっぱり我が家における大きさではないなと思いました。
私は「盲導犬」について普段考える事はありませんが、この本を読んで興味がわきました。
そして「不合格犬」として紹介されている犬たちは、どの子も活躍していて、私たち人間と変わらないと思いました。
最後にあとがきから引用しますが
不合格犬が、それぞれの生き方に出会えたように、それぞれの道がかならず見つかると思います。
「盲導犬不合格ものがたり あとがき」
という一文は、子どもに伝えていきたいと思いました。
おわり