タイトル:よだかの星
作:宮沢賢治
絵:村上康成
発行所:岩崎書店
ISBN: 9784265071081
鷹から殺すと脅されたよだかは、自分も虫を殺して生きていることを思い、このような悲しみの関係から逃れるため、遠い空へ…。
よだかの星 岩崎書店
※内容について書いていますので、ネタバレお嫌いでしたらお読みにならないでくださいませ。
「よだかの星」をよんで
宮沢賢治はむずかしそうな気がしていましたが、この間読んだ「ゴーシュ」が面白かったので、宮沢賢治の本をもう一冊読んでみる事にしました。
このお話は、みにくいと嫌われている「よだか」が遠い空まで飛んでいくお話です。遠く遠く飛んで星になれます。
最初から「じつにみにくい」というのだから、よっぽどなのだと思います。でも、だからって、まわりからはあんまりにもひどいあつかいをうけます。
兄弟のはちすずめやかわせみは、そんな差別をしないでいるようですが、きっと自分がうつくしいからできるんだと思いました。
もし兄弟全員が「よだか」だったらきっと、近くで助けあいながらいられるはずです。
せっかく弟がひきとめてくれても、よだかはタカに食べられるのも、かぶとむしを食べる事もできずに、空に高く高く飛んでいきます。
太陽やたくさんの星たちにもやさしくされる事はなかったけど、飛び続けることはとても幸せだったと思います。
本当は生きるために生きものをたべる事はわるい事ではないのだけど、それができなくなってしまった「よだか」は、せめて星になれてよかったです。
そこからいつまでもいつまでも生き物の世界を見ていてくれているのか、もう、こちらの事なんて見てもいないのかもしれません。
ちきゅうから見る星はとてもきれいです。光っているからきれいなんだけど、きっと星にはお話があるから見てしまうんだと思います。
このお話をよんで、星空を思うと、よだかがどこかにいるんだなと思います。
たべながらでも必要なぶんだけ、それにだれにでもやさしい人でいられたらいいなと思います。
おわり
思ったよりも宮沢賢治の本をよく読む息子です。宮沢賢治の作品は、ぐっと引き込まれる瞬間が見られて面白いので、もう一人で読めるのですが我が家では読み聞かせをしています。
今回ご紹介した本は、小学校低学年の子でも読みやすいものです。図書館の児童コーナーにありました。
宮沢賢治の童話は、難しいイメージがありますが、「おはなし」としてみれば、低学年から楽しめる内容のものがいくつもあります。そこで、あえて低学年向きの絵童話として編集しました。大きな文字、人気画家によるさし絵がふんだんに入って、脚注つき。いままでにない読みやすさに感激します。
宮沢賢治のおはなし 内容説明 岩崎書店
おわり
宮沢賢治が難しく感じるのは、大人にも子供にも想像力を要求するからなのかなと思います。賢治は説明を押し付けたりしません。読者が思う情景は読者それぞれの中にあるように思うのです。
また読みたくなりました。
こんにちは。
宮沢賢治お好きなんですね。
わたしは最初から最後まで読んだのは最近になってからです。よだかの星は私は、星になっちゃっていいのかな?と少し思いました。でも星になれて良かったなとも思います。
読者それぞれの中にあるって、ほんとにそうだと思います。
その時その時でも感じ方が違ってくるでしょうね。