- タイトル:落語絵本シリーズその9「そばせい」
- ISBN:978-4-86101-024-1
- 作者:川端誠
- 発行:クレヨンハウス
※ネタバレを避けたい方は読まないでくださいませ。
「落語絵本 そばせい をよんで」
「こわっ!!」というのが我々親子が読み終えたあとの第一声でした。
「そばせい」はとても有名な落語ですが、私は初めて読みました。もちろん聞いたことも無いという意味です。この絵本を読んでみて、こんなに落語らしい面白いお話があるんだと驚きました。リズミカルで楽しいお話から始まり、場面は急転し、そこからそのまま行くのかと思わせつつも、最後思い切り「オチる」のです。とても魅力的なお話で何度も読みたいし、できれば噺家さんのお話を聞きたいと思いました。
お話としては、お蕎麦をたくさん食べると知られた「清さん」と「これだけ食べられたら、いくら」なんていう賭けをする「賭けそば」のお話なのですが、この展開と顛末はなかなかです。いくらなんでもそこまで食べられないと、一度は清さんも身を引くのですが、、、ある秘策を手に意気揚々と賭けに応じてしまうのです。そして、、、どちらが身を滅ぼすか。
これは絵本なので子供向けでもあることから、作者のあとがき(?)にも
絵本にするにあたり、そこに少しでも必然性をもたせるため、賭け事の危うさを強調してみました。
とあります。その強調された危うさが十分伝わりました。近くにはパチンコ店や場外馬券場、課金アイテムだの何から何まで揃っている環境ですので、教育的にも良い作品だと思います。親が口うるさく言うよりも、自分で考えて判断していくためにも読書が良い経験になると本気で思いました。
この本は、地理的なものや伝説伝承など、子供向けのものに少し触れているだけで、だいぶ子供も「驚きを楽しめる」と思います。もしかしたらインドア派の小学生男児にもってこいかも知れません。最近読んだ本のなかでも読みながら「あ!ほんとだ!」とか「すごいねぇ!!」とか「無理だよぉ!!」とか引き込まれているからこその反応が沢山ありました。それにかの有名な都都逸もひょっこり書かれていて、日本の文化や知識に自然と反応できる、ひとことで言うと学のある子に育っていくだろうと期待を持てるものでした。わたくしこの本、大絶賛です。
それにしてもまだ「そばせい」の内容の濃さをまだ消化しきれずに興奮しています。このオチで終わりなのが「落語」ですよね。何度でも読みたいです。(一度でも聞きたいです。)
どうしてもこの「オチ方」を体感してもらいたい気持ちが強すぎて「感想文」となっているか心配な気持ちがありますが、「とても面白かったです」というのが今回の「感想」です。
おわり
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