- タイトル:シートン動物記 下町のネコ キティ[図書館版]
- ISBN:978-4-494-01485-9
- 文・絵:アーネスト・T・シートン
- 訳・解説:今泉吉晴
- 発行:童心社
※ネタバレを避けたい方は読まないでください
「シートン動物記 下町のネコ キティをよんで」
図書館の児童書コーナーでひと味違うような存在感を放っていたので手に取ってみたら、この「シートン動物記」シリーズでした。私の知っているそれまでの物と大きくビジュアルが違いシンプルな装丁が気に入りました。はじめて「シートン動物記」を読んでみようと思ったのです。
シートン動物記というとオオカミ王 ロボが有名でそれしか聞いたことないくらいなのですが、今回は「下町のネコ キティ」を選びました。シートン動物記にネコの話があるなんて初めて知ったからです。
お話としては、ニューヨークの下町に野良猫として生まれたキティが、たくましく生き生きと下町のネコとして暮らしていく様子が細やかな言葉で表されていて、とても読みやすい物語です。人間とネコが共に生活する社会では、やはり人間の都合に振り回されることもあるけれど、キティは人間とも対等に自分の意志で生きていける強いネコに成長していきます。
見習いたい。
ぜひとも見習いたい。と思いました。
私は主婦として母として、なんとなぁく自分さえ我慢していれば周りの人は上手くいくんだろうなと思いながらあらゆることを諦めているにも関わらず、「特に生活に困るわけでもなくラクに生きている」と、たぶんに思われている種類の人間ですが、私はもっと自由でありたいです。もう少し我儘も言いたい。怒ったり泣いたりしてみたいのですが、怒りも涙も湧き上がる事なく、ただただ日々寝て起きてるだけです。唯一、子供が毎日おおきくなっていく事だけが実感としてあるくらいで、基本は心ここにあらず状態で、もはやどこにも私の心なんて無いのかもしれません。
なのに、すっかり自分の人生が消えてしまって、かと言って本当に消えたわけでなく、ただただ年を取り、諦めの代償が負債としてふくらんでいく重圧に眠れないほどです。辛うじて自分が存在してると思いなおす時間でもあります。まぁ、ほんとにバカみたいです。人は人として1人分生きていかないと幸せにはなれないと思っています。自分が諦めた分は無意識にどこかで誰かの足をひっぱったりして取り返そうとすると思います。年を取るほどそれに抵抗も無くなるでしょう。
自分は自分としてきちんと存在していかないとです。キティにはっきりと言葉で言われた気がします。
おわり